豆腐というけど、豆腐ではないごま豆腐

ごますり

豆腐という名前がついているけど、豆腐とはちょっと違う「ごま豆腐」。1200年ほど前、日本に持ち込まれたと言われています。

ごま豆腐とは?

ごま豆腐イメージ
ねっとりとした食感

ごま豆腐とは、和歌山県・奈良県で食べられる郷土料理で、精進料理の一つに挙げられるものです。本式の原料としてはごまと葛粉(本葛粉)ですが、一般的に販売されているものは本葛以外の各種デンプン(片栗粉等)を使用しているものが多くあります。
調理も修行のうちとされているお寺では、ごまの皮を取り、舌触りが滑らかになるまで入念にすり潰すという大変手間のかかる作業を修行の一環として行っています。
食べ方としてはわさび醤油やタレ、出汁をかけてそのまま冷奴として食べるのが一般的で、豆腐のように食材とされることは少ないです。

豆腐と言いながら、豆腐ではありません

豆腐は「原料が大豆で、水と凝固剤(にがり)、加工助剤のみで作り、おからを分離して大豆たんぱく質を主成分とする大豆固形分が10%以上」という定義がされています。そのためごまをすり潰して水に溶いた葛粉を混ぜて火にかけて練り上げ、型枠に入れて固めたごま豆腐は、正確には「豆腐」ではありません。見た目が豆腐っぽいからごま”豆腐”と言われているようです。

生ごま豆腐は賞味期限が1日程度?

本式の生ごま豆腐は時間が経つと食感が変わってしまうため消費期限が1~2日程度と非常に短くなっています。そのため製造元で提供されるのがほとんどです。高野山を始め、和歌山・奈良・京都の禅寺の昼食や宿坊で宿泊時の食事として定番になっています。
レトルト食品として提供される、本葛以外の各種デンプンを原料としたものは賞味期限を長く作ることも可能(1~2か月程度)であり、土産物として一般的に販売されています。当店で取り扱っているものも、このレトルトタイプになります。

精進料理とは?

精進料理
生臭ものは使わず、粗食だけで作る精進料理

精進料理とは、「精進」に基づいた料理の事で、この「精進」の実践方法の1つに「美食(魚介肉類)を戒め、粗食(野菜・根菜・海藻類)であれ」という事があります。また、清らかに仏道を求める意味と相まって、生臭もの(魚介肉類等)を食べない風習になりました。
そのため精進料理では肉や魚を使わず、野菜類のみで料理を作っています。その中でも工夫をして肉や魚に近いものを作っています。今で言う「ベジタリアンの食生活」に近いものがありますね。

ごま豆腐のルーツ

ごま豆腐のルーツとして知られているのは中国の精進料理です。石臼の発明によってごま油が作られるようになり、揚げ物や炒め物という調理法が進んだことで宮廷料理の豪華さを求める流れの中に、白身魚に見立てたごま豆腐が作られるようになったそうです。
日本のごま豆腐のルーツとして明確に分かっているものの中では、江戸時代に隠元いんげん和尚が日本に持ち込んだ普茶料理の中の「麻腐まーふ」という、葛に練りごまを練りこんで白身魚の刺身に見立てたごま豆腐です。現在のごま豆腐の生産地として挙げられる「高野山」の弘法大師と「永平寺」の道元禅師は中国で修行された際に麻腐を食べて帰国後に継承されている事が分かっているので、平安時代もしくは少なくとも鎌倉時代にはすでに日本にあったのではないかと考えられています。
しかしながら非常に手間暇がかかるごま豆腐は、位の高い賓客をおもてなしする時だけ作られた高級料理であったことから中々一般的には出回らなかったため知られることがなかったのでしょうか。

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ごま豆腐
大覚総本舗
ごま豆腐

2本入:680円
4本入:980円
5本入:1,3080円

ごま豆腐12本
大覚総本舗
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3,240円

ごま豆腐セット
大覚総本舗
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3,780円